心療内科

心療内科

診療科紹介

心理的・社会的ストレスから起こる病気や、ストレスによって経過が悪くなると考えられる病気をストレス関連疾患といいます。
心療内科では、このストレス関連疾患について、身体面と心理社会面の関係性を重視し、一人一人の患者さんの状態に合わせた個別の診療を行います。

心療内科の主な疾患

自律神経失調症

めまい、動悸、息切れ、頭痛など、検査をしても原因がはっきりしない場合、自律神経失調症の可能性があります。 自律神経失調症は、心や体へのストレスが引き金となって自律神経が乱れ、心や体に不調があらわれた状態です。自律神経失調症では、多汗、倦怠感、頭痛、動悸、不眠など、多彩な症状があらわれます。但し、症状は人によって多様に異なるのが特徴です。子供に起こりやすい起立性調整障害、病院などで血圧が高くなる白衣高血圧症、下痢や便秘を繰り返す過敏性腸症候群、ホルモンバランスの乱れによる更年期障害、突然のパニック発作が起こるパニック障害や過換気発作なども自律神経の乱れが関わっていると考えられています。 治療としては、生活習慣の見直しや環境調整を行いながら、抗不安薬や漢方薬などの薬物治療も行います。同時に、自律訓練法、漸進的筋弛緩法や呼吸法などのリラクセーション法の習得や認知行動療法、その他の心理療法を併用することで、自分自身がストレスに対してより強くなっていただきながら、不適切な考え方、行動などを見直していけるようサポートしていきます。薬物療法については、症状が改善し次第、徐々に減らしていき、根治治療を目指します。

機能性消化管障害

消化器症状が続いているにもかかわらず、内視鏡、消化管造影、CTスキャンなど、一般的な検査では異常が見つからないものを機能性消化管障害と呼びます。 機能性消化管障害では、【機能性ディスペプシア】や【過敏性腸症候群】がその代表です。機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia: FD)とは、上部消化管内視鏡などの検査で潰瘍やがんといった器質的な疾患を認めないにも関わらず、胃や十二指腸由来と考えられる上腹部症状がある疾患です。 過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome:IBS)は、特定の器質的疾患が存在しないが、大腸の運動や分泌の異常によって下痢や便秘、ガスによる下腹部の膨満感、腹痛などを生じる病気の総称です。具体的には、朝、通勤・通学時に腹痛と 下痢を生じて電車を途中下車しなくてはいけなくなる人や、試験やスポーツの試合、スピーチなどの前に緊張で腹痛、下痢を生じる人などがこれに相当します。過敏性腸症候群の日本における患者数は約1,200万人、成人における有病率は12.5%と言われています。男女別では女性がやや多く、20代・30代の若年層に多い傾向があります。 機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群の原因には、心理・社会的要因が大きく関与しています。これらの患者さんには、生活習慣改善指導や薬物治療だけではなく、心理療法であるリラクセーション法(自律訓練法、漸進的筋弛緩法、呼吸法)や認知行動療法を行っております。

摂食障害

摂食障害は、大きく分けて、①神経性やせ症、②神経性過食症、③むちゃ食い障害の3つに分けられます。 摂食障害の原因はよくわかっていませんが、やせている体型が美しいという心理社会的背景から、若い女性がダイエットに執心していることがその原因の1つと考えられています。摂食障害の治療は難渋することが多いと言われておりますが、心身医療科では個々の患者さんにあわせたオーダーメイドの治療を行っております。重度の低体重では、まずは栄養療法を中心とした内科的治療を行い、徐々に心理療法(認知行動療法や家族療法)を進めていきます。治療の目標としては、ストレスを感じた時に、やせや過食という誤った行動で対処するのではなく、適切な方法で対処できるようになることです。

肥満症

肥満は太っている状態であって、それだけで病気とはなりません。一方、「肥満症」とは、肥満による健康への悪影響がすでに現れている場合、もしくは「内臓脂肪型肥満」の場合で、減量治療が必要な状態をいいます。  肥満症の治療には、①食事療法、②運動療法、③行動療法、④薬物療法、⑤外科療法があります。薬物療法では、日本においては使用できる薬物は少なく、対象患者が限られています。また、外科療法は、高度な肥満(BMI≧35)に限られるため、肥満症治療の中心は、食事・運動療法と行動療法になります。  肥満症の治療目標は、体重などの状態を良好にコントロールし、維持することで、合併症の発症と進展を防止し、日常生活の質の向上と健康寿命を確保することです。

その他のストレス関連疾患

気管支喘息、アトピー性皮膚炎、緊張型頭痛、本態性高血圧、線維筋痛症、慢性疼痛、更年期障害、顎関節症、舌痛症、口腔内異常感症など

外来担当表

 
午前          
午後       ※加藤 竜一  
※非常勤医師